NTTドコモ チーム

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広告で世の中に新しい概念をつくる

NTTドコモと動画コミュニケーションアプリ「SNOW」がタイアップした「卒業"盛ルバム"」キャンペーン。動画の再生回数は100万再生を越え、ツイート数は全体で2万以上、Webでは200媒体以上、テレビ番組でも多数取り上げられた。同プロジェクトの舞台裏について、担当したチームメンバーに話を聞いた。

ドコモと考える、あたらしい卒業アルバムのカタチ

石井

本プロジェクトの課題は、若年層から絶大な支持を得ている動画メッセージアプリ「SNOW」を使って、春の商戦期においてドコモのプレゼンスを強化するというものでした。そこで、黒歴史になりがちな「卒業アルバム」をSNOWでかわいく盛るという企画を提案し、第1弾はSNOWで撮影した写真を製本し「卒業"盛ルバム"」としてプレゼント、第2弾はWeb上で誰でも"盛ルバム"が作れる「"盛ルバム"ジェネレーター」を公開しました。私は営業として、プロジェクト全体の調整や進行管理を務めました。

酒井

クリエイティブディレクター兼統合プランナーとして、本プロジェクトのコアアイデアからサイトやWeb動画の企画立案を含めて、統合的なプランニングを担当しました。「卒業アルバムを"盛る"」という概念を世の中に打ち出すこと自体が挑戦でした。世の中に新しい概念を提示するということは、ともすると批判を浴びる対象になりえます。社会やターゲットに受け入れてもらうにはどうしたらいいのか、さまざまな角度から検証していきました。

室屋

同期の酒井とともにクリエイティブディレクターとして、そして主に映像側のプランナー、コピーライターとして課題解決のアイデアから施策の実施まで横断的に携わりました。彼の「卒業アルバムは黒歴史になりがち。若者は不満に思っている」という仮説自体がすでに強いアイデアだったので、早い段階から、チームが一丸となれるミッションが立てられたことが良かったですね。また、PRプランナーとして吉尾に参加してもらったことで、キャンペーンがより立体的になりました。コンテンツそのものが自走する力を持つようにプランニングするという考え方はとても勉強になりましたね。

吉尾

プランナーが何もないところから発見した生活者インサイトにまずワクワクしました。ですが、いかにこの企画が生活者のニーズを捉えていて、賛同を受けたとしても、メディアも同じように反応するとは限りません。このプロジェクトを、なぜドコモがやるのか、なぜ今なのか、それは世の中にとって何が新しいのか、取材したくなる人・モノ・コトの要素はあるのか。これらのPRファクトを整理し、プロジェクトへフィードバックしていくよう心がけました。

酒井

メンバー同士がフラットに意見を出し合いつつ、それぞれの職種の目線でコメントし、最終的にジャッジするというチームのあり方は理想的でした。さらに、クライアントとも受発注の関係性を越えて、ワンチームとして、よりよいクリエイティブを追求できたことが最大の成功要因だったと感じています。

バズと、神は細部に宿る

室屋

コピーライティングでは、「#最後くらい盛らせろ」という、ターゲットの"体験をのせられる"言葉をつくることに注力しました。レトリックに逃げず、学生たちが本当にいいたかったことをコピー化するのに苦労しましたね。学生生活は楽しいですが、校則などの制限もあります。そういった制限された環境の中、「最後くらいワガママいわせて!」という学生の気持ちを代弁したかったんです。

酒井

コピーと同様に動画もプロジェクトの起爆剤になる必要があり、妥協は絶対に許されませんでした。たとえば、第1弾のPR動画では、女子高生ミスコン2015-2016グランプリの"りこぴん"こと永井理子さんを起用しましたが、りこぴんさんを主演に据えるのか、据えないのかで見え方はずいぶんと変わってきます。ターゲットの共感を呼ぶにはどうしたらいいかをチームで相談し合いながら、限られた時間の中で細かく詰めていきました。

室屋

第2弾のPR動画は、若い女性たちの間で流行った"盛りポーズ"の歴史を一挙に振り返る内容です。このムービーの撮影はワンカットにこだわったため、OKが出るまでに30テイク以上粘って撮りました。そして何よりこだわったのは、スケジュールがないなかで、それぞれの時代の雰囲気を出すことを意識し、動きや衣装を研究し尽くしたこと。入念に再現されたディテールがなつかしさや共感を呼び、「こんなのあったなぁ」や「これ今でもカワイイかも」など、世代間を超えた会話が生まれる。こうした幅広い層の話題化によって、ターゲットをテコの原理で動かすことが狙いでした。

吉尾

予算は限られているので、そのような視点がとても重要です。いくら労力をかけた制作物でも、それを知る人や広める人がいない限り、お蔵入りも同然ですから。コンテンツ自体が話題化されるにふさわしい要素を持つことはもちろん、PRプランナーとして、本プロジェクトが生活者に必要な情報として、メディアに報道され、シェアされるためにはどうしたらよいのかという点に苦心しました。

石井

第2弾のPRの動画のときは、盛りポーズの歴史年表を作成しましたよね。プレスリリースも、メディアの特性によって書き分けていたのが印象的でした。

吉尾

メディアに情報提供する際には、その普遍性や、今の高校生が卒業アルバムに不満を持っているということのエビデンスを示す必要があります。そのため、SNSやオープンデータを活用して、高校生が卒業アルバムに持つ不満に関する調査結果や、今の高校生がスマホなどで"盛った"写真でコミュニケーションすることが当たり前であることなどをまとめ、メディアにとっての"報道する必然性"をリリースに加味していきました。

リスペクトし合えるチームなら、
誰がシュートを打ってもいい

石井

実際にローンチしてみて、第1弾は全国から1,113件の応募があり、非常に多くの方から「卒業"盛ルバム"」への熱意を感じました。総ツイート数は2万件以上、関連Web動画の再生回数は広告なしで合計100万回以上となり、特に普段テレビCMだけではなかなかリーチしづらい若年層に対してターゲットに寄り添った企画ができたと評価をいただきました。

室屋

「MAXかわいく写りたい」という心理はいつの時代も普遍、SNOWはその盛る行為の"最高到達点"だという位置づけをうまく伝えることができたと感じています。プロジェクトメンバー全員が、それぞれの職能において、このゴールイメージを共有できていたことも、困難を乗り越えられた理由の一つでしょう。

酒井

学生の方からの熱い長文の応募メッセージに泣きそうになったり、色々な達成感のある仕事でしたが、盛ルバム製本キャンペーンにしても、ジェネレーターにしても、顔写真という個人情報レベルの非常に高いものを扱うため、クライアントや社内との調整に苦労したのも事実です。個人情報を取り扱うにあたっての膨大な書類のやりとりや、サーバーの連携などの調整は、一瞬の遅れも命とり。本プロジェクトの立役者は、膨大な資料をうまく整理してくれた営業の石井です。

石井

ありがとうございます。企画提案から実施までのスケジュールがかなりタイトだったこともあり、実現へ向けたプロジェクトマネジメントが私の最大のミッションでした。時には自分の手を動かし足を動かし、足りないことは役割を超えて何でもやりました。たくさんの方にご協力いただき、無事完了することができて感無量です。特に、課題が多かったジェネレーターがローンチしたときは、嬉しさもひとしおでしたね。

室屋

本プロジェクトに参加して、どんな些細なことでも、こうすればよくなりそうな気がするということを、チームのメンバーに共有することが大事だと実感しました。お互いの専門領域での職能をリスペクトし合っていれば、議論が議論を生んで、有機的なパス交換ができ、最後に枠の中に強いシュートが打てる。リスペクトできるメンバーであれば、誰がシュートを打ってもいいんだな、とも。

未来の新人社員に期待すること

吉尾

会社は与えられた場所ではありません、あなた自身が掴みとった場所です。なぜそのビジネスを、なぜそのプロジェクトを、なぜその企画を、なぜその広告を私たちがつくるのか、ということに自覚的であること。主体性に裏付けされた自信を持ち、はつらつとした態度で仕事に取り組む人と仕事をしたいです。

石井

そうですね。積極性や柔軟さなどが求められることが多い業界ですが、個人的には「自分を磨き続けられる人」と一緒に働きたい。「明るくて、楽しい」も能力なら、「熱意」や「広告愛」や「考える力」もまた能力。本プロジェクトもそうですが、多種多様な能力をもった人が集まることで、一つの企画ができます。自分の役割や能力を理解し、よいと思うところをどんどん磨き続けてほしいです。

室屋

「誰かのはじめは興味の”ないもの”が”あるもの”に変わる瞬間」が好きな人と働きたいです。私自身、その瞬間をできるだけ多くつくりたいという欲求や、自分の妄想したストーリーがその通りにいっても、あるいは裏切られても面白いという醍醐味に引っ張られて、この仕事に就いた気がします。あとは、自分のやりたいことはが他の業態ではなく、”広告業でこそ”成し遂げられるという理由が一つでも明確にあれば、それだけでいいのではないでしょうか。

酒井

それは大事なことだよね。様々な業種の中でも広告会社は、「アイデアで人を動かすことが好きな人」にはうってつけの場所だと感じます。私たちの仕事は、クライアントや世の中の期待値を、常に超えていく必要があります。未知なる発見や圧倒的な結果を生み出すためには、妥協せずに考え抜くエネルギーが必要。そのエネルギーは”好き”という力から湧いてくるものだと実感しています。新入社員の方には、そんなシンプルな気持ちをぜひ大切にしてもらいたいですね。

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