97年新製品ヒット紹介

【Q.P.R.で選んだ96年のヒット商品】



4月の消費税率引き上げに続き、秋口からの株価の急落、円安の進行、証券会社・銀行の倒産で、長引く不況感がさらに増して行くなかで、97年は終わろうとしています。97年のQPRの新製品ヒット商品も例年に比べ、小粒感が否めませんでした。今年発売になったブランドのうち、発売されてから何割の家庭で購入されたか(=トライアル率)、トライアルされた家庭のうち何割の家庭が2回以上の購入に至ったか(=リピート率)を基準にして、下記のブランドをヒット商品と選定いたしました。


<97年のヒット商品とキーワード> ( )内はJICFS商品分類名

●グリコ 極カレー(インスタントカレー)
 じっくり煮込んだ玉ねぎの深みのある味わい

●S&B食品 あら挽きカレー(インスタントカレー)
 35種類ブレンドのスパイス感とあら挽きの食感

●永谷園 和風 麻婆豆腐・麻婆茄子の素(中華の素)
 和風味のすっきり感を訴求

●ニチレイ 新レンジ生活 衣がサクサク(冷凍調理)
 食感ネーミングの冷凍調理品

●東洋水産 マルちゃん 今どきの焼きそば(カップ麺)
 既存品にない新しい味わい

●岩下食品 浅漬風 新生姜(漬物)
 素材まるごとの新しさ

●明治製菓 プッカ(菓子)
 カリっとした食感と形態のかわいさ

●ロッテ キシリトールガム(チューインガム)
 規制緩和による新市場と健康意識のマッチング

●ハウス こうばしコーン(ハウス)
 素材の風味

●キリンビバレッジ サプリ(その他果実飲料)
 容器の利便性と水感覚の栄養サプリメント


97年ヒットした商品は、“いままであった価値を言い換えること”で成功したと言えます。全く新しい価値や優位性などを創造するというより、“ありそうでなかったもの”として市場の隙き間を埋める傾向が顕著でした。それが新商品の小粒化と関係しているようです。とりわけ、雑貨カテゴリーではヒット商品が少なく、例年の13週 のトライアル率=5%とリピート率=20%を選定の基準としていますが、雑貨カテゴリーではヒット対象商品は「該当なし」とさせて頂きました。

1.規制緩和

「ロッテ キシリトールガム」や「キリンビバレッジ サプリ」。今年の2大ヒット商品は、販売・生産における規制緩和が背景となっています。キシリトールガムは4月のキシリトールの食品添加物指定が背景にあります。小容量ペットボトルを中心に展開した「サプリ」のヒットは、'96年のメーカー側の自主規制緩和以来の小容量ペットボトルの市場拡大が背景となっています。

2.新食感

新しい食感に訴える商品、ネーミングに食感を盛り込んだ製品がヒットしました。4種のスパイスをあら挽きにした「S&B あら挽きカレー」、新たに開発された中空プレッツェルで新しい食感とかわいい形態を実現した「明治製菓 プッカ」、食感をネーミングに反映した冷凍調理品の「ニチレイ 新レンジ生活衣がサクサク」など。

3.薄味

昨年は「コク」が注目されたが、今年は「さっぱり」テイストが盛り返してきました。カロリーを控えめにした薄い味覚の「キリン ビバレッジ サプリ」、麻婆メニューの油っこさ・しつこさを抑えた「永谷園 和風麻婆豆腐の素・麻婆茄子の素」、生姜をさっぱりとした浅漬さしみにした「岩下食品 浅漬風新生姜」、脂っこいソースを使わない塩味や味噌味の「東洋水産 今どきの焼きそば」がヒットしました。